遺言があれば・・・

とある方の相続人調査をしていた時のお話です。

亡くなった方にはお子さんがなく(幼少期に死亡)、両親や祖父母も死亡していたため、配偶者と兄弟が相続人になるケースでした。

兄弟は4人ぐらいと聞いていたので、そのつもりで調査を開始したところ、なんと兄弟が10名以上おり、全員が亡くなっていたため、その甥姪たちが相続人となり、その数20名以上。
依頼者の方(甥姪のうちの一人)は、他の甥姪のほとんどの連絡先も分からず、面識もないとのことです。
今まで依頼者の方がずっと近くで面倒をみてきたのに、全く交流のない甥姪も同等の立場で相続人となることについて、納得がいかない気持ちもあるかもしれません。

このようなケースで、もし「全財産は姪のAに相続させる」といった遺言があればどう変わっていたでしょうか。

まず、相続人全員を調べる必要がなくなります。
ほとんどの相続手続きで、Aさんが相続人であることだけを確認できれば良いので、大量の戸籍を集める手間と費用がかかりません。

そして、疎遠な親族に連絡をする必要がなくなります。
遺言で財産をもらう人が決まっているので、その他の相続人の関与なく、一人で相続手続きが可能です。
※兄弟姉妹や甥姪には遺留分がないので、それも気にする必要はありません。

このように、遺言のある・なしで、残された人の労力が大きく変わります。
遺言を書いた方が良いケースは他にもたくさんありますので、ご自身に照らし合わせてみて、遺言を書いた方が良いのか、是非一度ご検討されてはいかがでしょうか?

当事務所では、遺言全般のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
公正証書遺言の作成に必要な証人2名も当事務所でご用意致しますので、誰にも知られることなく遺言を作成することも可能です。