認知症の方が相続人にいる場合
相続のご相談をお受けしていると、相続人の中に認知症の方がいらっしゃるケースがよくあります。
例えば、父・母・子2名の4人家族で、父が亡くなり、母が認知症の場合。
また、ある方が(未婚・子供なし)が亡くなり、数名いる兄弟姉妹のうち、一人が認知症の場合など、です。
相続人の中に認知症の方がいらっしゃる場合、相続人で話し合って遺産を分配することができません。
なぜなら、認知症の方は、ご自身の行為の結果を正しく理解することができないため、法律上、相続の話し合いや契約などをすることができないとされているからです。
このような場合には、話し合いをせずに、もともと法律で決められた割合(法定相続分)で遺産を相続したり、裁判所に後見人を選んでもらい、その後見人が認知症のご本人の代わりに相続の話し合いに参加する方法をとったりします。
ただし、法定相続の場合は全ての遺産が相続人全員の共有になってしまうという問題があったり、成年後見制度を利用する場合は時間や費用がかかったり・・・
なかなか現実的にこれらの方法が難しいケースもあります。
このような事態にならないように、あらかじめ遺言書を作っておくことを強くお勧めします。
遺言書があれば、そもそも相続人間で話し合う必要がないので、認知症の方がいらっしゃっても、遺言書どおりの相続が可能です。
各家庭のご事情によって、一概に相続と言っても、取るべき対策は千差万別です。
当事務所では相続全般のご相談を承っておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。