遺言のススメ

遺言書って、大金持ちの方が書くものだと思っていませんか?

よくサスペンスドラマなどで、資産家一家が一堂に会して、弁護士が亡き先代の遺言書を皆に読み聞かせて、そんなの聞いてないだの、ふざけるななど言っている間に、第一の殺人事件が起きて・・・

こんな場面を見かけますよね。
資産家の方だと、事業を誰に継がせるか、不動産や有価証券など多くの資産をスムーズに相続人に引き継がせるために、遺言書で相続の方法を決めておくことは、もちろん意味があります。

しかし、それ以外の場面でも、遺言書が非常に役に立つケースがたくさんあります。

例えば、分かりやすいケースだと、
(1)将来相続の話で揉めることが容易に予想できるケース
このケースでは、遺産分割の話し合いがおそらく紛糾しますので、場合によっては裁判所の手続きまで行き、解決までに時間とお金がかかる可能性もあります。
遺言書があれば、仮に納得のいかない相続人がいても、遺言書のとおり相続することができるので、手続きは簡単です。
※遺留分を侵害しない遺言書の前提です。

(2)相続人の中に、認知症や知的障害の方がいるケース
認知症や知的障害の方は、遺産分割の話し合いに参加することができないので、もし法定相続分と異なる割合で相続したい場合は、裁判所にこれらの方の成年後見人を選んでもらう必要があり、これもまた時間とお金がかかる可能性があります。
遺言書があれば、遺産分割の話し合いは不要ですので、成年後見人を選ぶ必要も無く、遺言書のとおりに相続することができ、手続きが楽になります。

(3)子供がいない方で、兄弟姉妹とは疎遠なケース
子供も、親もいない(亡くなっている)場合、兄弟姉妹が相続人になります。
しかし、兄弟姉妹には自分の遺産をあげたくないという方は、遺言書を書かないと、兄弟姉妹が遺産を相続することになります。
遺言書があれば、兄弟姉妹は何も主張する権利が無いため、遺産は遺言書のとおりに相続されます。

上記に挙げたのはよくあるケースですが、個々の事案に応じて、遺言書を作った方がいいというケースがあり得ます。

遺言書があれば良かったのに・・・と思うご相談が多々あります。
残されたご家族が大変な手間や心労を抱えることを未然に防ぐために、遺言書の作成をご検討頂きたいと思います。
また、ご自分のご両親に、遺言書の作成を勧めてみてはいかがでしょうか。

(無理矢理書かせたり、偽造するなどした場合、相続権を失うのでご注意を!!)

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