成年後見人が選ばれるまでの流れ

認知症や障害により判断能力が低下した方のために、裁判所が成年後見人を選び、成年後見人がご本人の代わりに財産管理をしたり、身上監護を行うのが成年後見制度です。

では、成年後見人はどのように選ばれるのでしょうか。

【1】裁判所への申立書類を作成します。
申立書類には、自分で記入(またはパソコンで作成)する書類以外に、様々な添付書類が必要です。
例えば、医師の診断書や、戸籍、通帳コピー、不動産の登記簿謄本、保険証券コピーなどを用意する必要があります。

【2】申立書類を裁判所に提出します。
裁判所が書類を確認し、不備があれば、訂正を求められたり、追加で書類を提出するよう連絡が来ます。

【3】裁判所に面接に行きます。
参与員という人が、申立てをした人、成年後見人になる予定の人、場合によってはご本人と面接します。
申立てをした理由や、ご本人の状況などについて、細かく聴き取りが行われます。ここで、成年後見人になる予定の人がきちんと成年後見人の仕事を行うことができるかどうかの判断も行われます。

【4】成年後見人が選ばれます。
裁判所より「成年後見人選任審判書」が郵送で送られて来ます。
この審判書に、誰が成年後見人に選ばれたのか書いてあります。
成年後見人になる予定の人が、金銭管理が得意ではなかったり、横領のおそれがあるなど、何らかの理由で成年後見人として適格性がないと判断された場合は、裁判所が独自に選んだ人(司法書士や弁護士など)が成年後見人になります。

【5】審判が確定して、成年後見スタート。
審判書が届いてから2週間の期間は不服申し立て期間なので、この期間が経過すると、審判が確定します。
審判が確定して初めて、成年後見人として動けるようになります。

申立て【2】をしてから、成年後見人が選ばれるまで【4】、だいたい1ヶ月から2ヶ月程度でしょうか。
準備期間や、審判の確定までの2週間を考慮すると、成年後見人が実際に動けるようになるまではある程度の時間がかかりますので、成年後見を利用されたい場合は、なるべくお早目に申立てをされることをお勧めします。

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